スポーツマンシップレーティング(以下SR)がSランクなのに無茶苦茶なオーバーテイクをしている方が居たので、再確認の意味で基本となるレースマナーをまとめてみました。
※もちろん相手プレイヤーがフレンドである、親しい仲であるなどして、多少強引なドライビングも許せる関係である場合は、この記事に書いてあることは絶対ではありません。
プロのレースでは強引にオーバーテイクを仕掛けることも度々見られますが、それはお互いにプロだから成立するのです。GTスポーツはあくまでもゲームであり、技量や意識に差があるプレイヤーが同じコースを走行するので、どうしても接触や追突をしてしまったり、あとでトラブルになってしまうこともあります。
この記事では、「初めまして」の状態でもお互いに楽しく、気持ちよくレースをするためのマナーになります。
コーナーでのオーバーテイク時のマナーとルール
今回はコーナーでのオーバーテイクの方法です。ライバルをコーナーで抜く時は相手のインを付く必要がありますが、インに付ける場合と付けない場合(場合によってはペナルティの対象)があります。
これを理解しないと、「相手がイン側を空けてくれなかった」、「ミサイルされた」などとトラブルの原因にもなってしまいます。
相手のインに飛び込んではいけない例
京都ドライビングパーク山際の35Rヘアピンのつもりです。雑なのは目をつむって下さい。
1. 並走していないのにインに飛び込んでオーバーテイクした
オレンジが先行、グリーンが後追状態。
コーナーターンイン開始までに並走していないのに…
グリーンがブレーキを遅らせ、クリッピングポイント付近でオレンジのインに突っ込む行為。オレンジはインに飛び込んでくるグリーンを確認し、接触を避けるため急遽ラインをアウトに振ります。
オレンジはラインを乱されたためコーナリングスピードが落ち、グリーンが前に出ました。
これはダメです。
これ、SR:Sでも結構多いです。恐らく悪いことだと意識していないのでしょう。
オレンジがアウトに押し出される形になるので、グリーンがオレンジを進路妨害した、とみなされます。
「接触せずにオーバーテイク出来たのに何が悪いんだ」
という方、それはオレンジの車があなたに気づいてとっさにインを譲ってくれたから接触しなかっただけです。相手の方が周りを常によく見ているということですね。
このケースの場合、オレンジが気づかずにインを閉めたら、オレンジはアウトにふっ飛ばされます。グリーンによるミサイル行為になってしまいます。
SR:Sにも関わらず、このようなオーバーテイクをスポーツモードでもよく見かけるのが実態です。もう一度言いますがこれはミサイル行為と同義です。
コーナー進入までにオレンジが前を走っていた(並走状態では無い)場合、オレンジにそのコーナーでのレコードラインを走る権利があります。グリーンはオレンジを妨害してはいけません。
相手のインに飛び込んでも良い例
1. ターンイン開始までに並走状態になっている
ターンイン開始までに並走状態になっている時は、オレンジ、グリーンそれぞれに半分ずつ権利があります。
オレンジはイン側を、グリーンはアウト側を残したラインを走ります。
2. ブレーキングポイントの差でターンイン開始までに並走状態になっている
ストレートで並走していなくても…
ブレーキングポイントの差でターンイン開始までに並走状態になった場合
これもお互い半分ずつ権利があります。
これはインに飛び込まれるオレンジ側がルールを理解していないと成り立ちません。SR:B以下のマッチングだとまず接触してしまうでしょう。
グリーン側も無理にブレーキを遅らせるだけでは、ただのオーバーランとなってオレンジに接触してしまいます。
GTスポーツでブレーキングポイントに差がつく状況というのは、燃料マップによる走行ペースの差や、タイヤの摩耗度合いによる差があるかと思います。タイヤや燃料の消耗があり、ある程度長い距離を走るレースの場合によく起こる状況だといえるでしょう。
参考:ブレーキングポイントの差でターンイン開始までに並走状態になった例
GT-Rを追いかけるエボ。直線部分ではエボがGT-Rの後方を走っていますが…
ブレーキングでほぼ並走状態になりました。
ちなみにGT-Rにインを抑えられたのでエボはオーバーテイクできずでした。
レースにおける並走とは?
何度か並走状態という言葉が出てきましたが、じゃあ「並走」ってどんな状態なんだよ?
この写真、これは並走ではないですね。いわゆるテールトゥノーズ状態。
次の写真。
前を走る車のリヤタイヤと後を走る車のフロントタイヤがほぼ同じ位置にある時は、並走と言って良いと思います。
F1でもこの基準でインシデントの裁定を行っているそうです。
おわりに
まだ思う所はあるのですが、図を書くのに時間がかかるのでだんだんと追加して行きたいと思います。
オンラインは画面の向こうに人がいます。人と人との対戦です。お互い納得できるようなフェアプレーをしたいものです。