デビューすればGRブランドの頂点に立つことになるヴィッツGRMN。
ホットハッチ好きとして、なかなか気になるクルマです。
今回は中谷明彦さんによる、GRMNヴィッツ開発担当者へのインタビュー動画から分かることをまとめてみました。
中谷さんがヴィッツGRMNをテストした動画から一部引用して紹介していきます。
エンジンについて
中谷明彦氏(以下中谷氏)「エンジンは?」
トヨタ自動車 GR開発部佐々木良典氏(以下佐々木氏)「トヨタの2ZRエンジン、1.8Lにスーパーチャージャーをつけて、210ps程度、250Nmぐらいを目指している」
中谷氏「さっきエンジンルーム見たら、なんかどっかのマークが付いてたんですけど(笑)」
佐々木氏「あの蓮のマークですかね(笑)ものとしてはロータス・エリーゼに載っているものをトヨタ用に再チューニングしています」
中谷氏「もともとトヨタさんがロータスにエンジンを提供して、それをロータスがSCをつけて…という経緯があって、そのエンジンを使ったと?」
佐々木氏「そうですね。トヨタとロータスは昔からそういう関係にあって、ウチのエンジンを載っけてもらってる、それを今回は使わせてもらっています。」
ヴィッツGRMNに搭載されるエンジンは、ロータス・エリーゼにも使用されている2ZR-FE型エンジン。国内ではカローラやオーリスに搭載されているもの。
ロータスがエリーゼの更なるパフォーマンス向上を狙って、2ZR-FEにスーパーチャージャーを取りつけ、エリーゼSとして発売。そのエンジンを使わせてもらっているとのこと。スポーツカーでの実績があるエンジンだということを強調しています。
GRMNでは210ps、25kgm程度の出力を狙っているようです。
フロントにLSD装備
中谷氏「(ヤリスWRCを指して)こっちは4WD、ヴィッツはFF、かなりテイスト(味付け)は違う?」
佐々木氏「新開発したLSDを採用していて、これが良く効くので、とてもFFとは思えないような、4WDに負けない走りになっているんじゃないかと思います。」
WRCで活躍しているヤリスWRCをリスペクトして、4WD化されるのでは?という予想もありましたが、実際はFF。
しかし、新採用のLSDが良く効いて、本来アンダーがでるようなコーナーでも曲がる!と絶賛の中谷氏。高出力のFFですが、よく曲がるクルマに仕上がっているようですね。
車体の質感が高い
中谷氏「クルマの質感がすごい高いですね」
佐々木氏「ザックス製ダンパーがヒタヒタと(地面に吸い付くように)余分な振動を消してくれているところが大きいと思います。」
中谷氏「車体が3ドアなので、剛性が高いんですか?」
佐々木氏「そうですね。もともと3ドアの剛性の高さと、G'sで養ってきたブレース材の追加によるボディ補強のノウハウ、これが上手く効いてるのではないかと思います。」
G'sの頃から積み重ね培ってきた、車体の補強のノウハウがかなり活かされているとのこと。ドアの数が少ない3ドアボディによる、開口部の少なさから来るボディ剛性の高さと、SACHS製ダンパーの組み合わせで、上質な乗り心地のようです。
ヤリスGRMNから流用した??
中谷氏「あとこのクルマ、ウインカーレバーが左にあったんですけど、これは…?」
佐々木氏「そうでした?(笑)」 しらを切る佐々木氏。
中谷氏「勘違いかな(笑)」
佐々木氏「あの、そうかもしれません。」 曖昧に答える佐々木氏。
中谷氏「てことは、輸入してるってことなんですか?」
佐々木氏「あ~、そうかもしれませんね。」
中谷氏「あ~そういうことになってるんですね」 何かを察する中谷氏(笑)、質問の切り口を変える
中谷氏「もともとヤリスの3ドアっていうのは、ヨーロッパにはある車なんですか?」
佐々木氏「そうですね、もともとヨーロッパにはあります。なんか上手く聞き出されてる感じが(笑)」
中谷氏「(笑)」
佐々木氏が何かを隠しているような話し方ですが、2017年1月にヨーロッパで発表された市販モデル、ヤリスGRMNの存在を濁しているようですね。
エンジンはヴィッツGRMNと同じ2ZR-FEスーパーチャージャー。エンジンをはじめとして、3ドア、LSDを採用しているなど、基本コンポーネントはほぼ同じ。
見た目がMC前とMC後という事くらいです。
つまりどういうことなのかというと、お察し下さい(笑)
グローバル展開を目指すGRブランド!なのか?
中谷氏「それ(ヤリスGRMN)を今回上手く流用できたということ?」
佐々木氏「そうですね、世界中のそういうモノを上手く活かしてクルマづくりをしています。」
中谷氏「じゃあGRっていうのは日本のクルマっていうよりも、世界のトヨタが作ったクルマ?」
佐々木氏「まさにそうで、GRのようなスポーツカーを、グローバルに展開していきたいという、初のトライだと思っていただけたらいいなと思います。」
佐々木氏の発言を見ると、今回のヴィッツGRMNがヨーロッパで先行販売されたヤリスGRMNを流用して作られている、というのはほぼその通りなのでは……。
スポーツモデルは地域の枠組みを越えて、グローバルに販売しよう!というのが、トヨタの考えなのでしょうか?
なんだかんだ言ってますが、スポーツモデルを積極的に出すトヨタさん、好きですよ。
ヴィッツGRMNの続報に期待です!
判明しているスペック
車両価格
400万程度??
エンジン(トヨタ社内測定値)
- エンジン型式 2ZR-FE スーパーチャージャー
- 排気量 1798cc
- ボア・ストローク 80.5×88.3
- 圧縮比 10.0?
- 使用ガソリン ハイオク
- 最高出力 212ps/6800rpm
- 最大トルク 25.3kgm/5000rpm
駆動方式
FF
トランスミッション
6MT
ブレーキ
- F ベンチレーテッドディスク
- R ソリッドディスク
タイヤサイズ
205/45R17
車両寸法
- 車両重量=1140kg
- 高さ=1510mm
- 幅=1695mm
- 長さ=3975mm
- ホイールベース=2510mm
- 最小回転半径=5.2m
発売時期
2018年春頃