劇的車生活

クルマだけでなくいろいろやってます

ブレーキの改造がアウト!?本日10月1日より、車検での新ルールが適用!その名も「総重量1.1倍ルール」。

「車検はこういうルールでやってね」という事が書かれた審査事務規定が6月に改正され、10月1日から適用されます。

 

この中で、どうやらブレーキを改造すると車検に通らないらしい、という噂が一部で出ていたようです。(主に車業界)

f:id:kyoro32634g15:20170930230203j:plain

 

どんなルール?

審査事務規定(第4章-20)

https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn0000000m2l.pdf

より引用

 

4-20 架装等により車両重量が増加した乗用自動車等の審査
乗用自動車(省略)であって架装等により車両重量が増加したものの審査については、(省略)次により取扱うものとする。


(1)次に該当する場合には、それぞれの技術基準等に係る書面等による審査を省略することができる。


① (省略)
自動車又はその部品の改造、装置の取付け又は取外しその他これらに類する行為による制動装置の変更がなく、受検車両の諸元表等に記載された類別区分番号に対応する車両総重量に 1.1 を乗じた値が、受検車両の車両総重量と同一又は大きいもの

 

法令によくある独特な言い回しですが…

 

つまるところ、

 

ブレーキ装置の変更がなく、車検を受ける車の車両総重量が、車検証の車両総重量を1.1倍した数値内に収まっていればOK

 

ということです。

 

車両総重量

f:id:kyoro32634g15:20170925175929j:plain

コルト(CVT)の場合、カタログ上の重さは1140kgですが、これは燃料や冷却水、エンジンオイルなどの油脂類など、実際に走行するのに必要なものを積み込んだときの重さで、車両重量といいます。(ちなみにこれらを積まない重量のことを乾燥重量といいます。)

 

車両総重量とは、車両重量に定員×55kgを足した重さ。つまり定員で乗車した時の重さです。ちなみに大人1人あたりの重量として55kgと設定されています。ガリガリですね。

コルトの例では、

 

1140kg+55×4=1360kg

 

となります。(ラリーアートVersion-Rは4人乗りです)

 

実際に1.1倍してみる

1360kg×1.1=1496kgなので、1496kgまでは問題ないです。136kgの重量増まではお咎めなし。

 

実際そんな重量増が伴う改造ってなかなか無い気もしますが。強いて言えば外向きのオーディオ屋さんとかロールケージ組んだりとか…?

 

ブレーキを改造してはダメなのか?

f:id:kyoro32634g15:20170930214959j:plain

制動装置の変更が~という文面ですが、純正ブレーキというのはメーカーが多額のお金をかけてこれは安全ですよ、という性能証明をしているので、いわば国(国土交通省)のお墨付きです。

 

そして、多少の重量増までなら純正ブレーキでも耐えられる、というデータが取れてきており、それが1.1倍という数字の根拠になっているようです。

 

法規をそのまま解釈すれば、ブレーキの改造をした車は、新たに性能証明をして下さい。車両総重量から1kgでも増えたらダメです!ということになってしまいます。

 

しかし実際は全く問題ないらしい

実際のところ、今までに車検(継続車検)に通っていた車ならば問題はないようです。

www.automesseweb.jp

こちらの記事では、実際に独立行政法人自動車技術総合機構に問い合わせを行い、「今まで車検に通っていた車が不合格になることは無い、規制を強化するわけではない」という回答をもらったとのことです。

 

多少の重量増でも車検に適合しますよ、という保安基準の適合例として記載した側面が強いようですね。

 

 

そもそも厳密に運用することは不可能なんですよね。重さが測れないから。

陸運局では設備があるので測ることができますが、設備のある民間車検場って現状なかなかないです。

 

いままで通りに継続車検を受ける分には、ブレーキまわりを改造しても問題はないと言えそうです。

 

しかし構造変更を伴う検査ではどうなるのか分かりません。今後の動向に注目です。